以前の文章でも述べたように、起業家にとって最も重要な資質は、長期にわたる不確実な状況下でも信念を持ち続け、何度も挑戦して失敗しても前進し続ける能力だと考える。一方、今回お伝えしたいことは、起業家が最も避けるべきことの一つであり、それはリスクを「過剰に」分析しないことである。
起業家精神の本質は、過去には存在しなかったものの、市場ニッチが存在する解決策を絶えず探し求めることにある。新しいビジネスモデル、戦略、製品を試す前に、適切なリスク分析を行うことは当然必要なことである。しかし、あらゆるリスクを過剰に分析してしまうと、たとえリスクが小さくても、どんな新しい提案や取り組みであっても、リスクを取らないための理由を何百も見つけてしまい、最終的には行動を起こすことを躊躇してしまう。
しかし、あらゆる機会にはリスクが伴うものである。
私が知っている成功した起業家たちを例に挙げよう。彼らの多くは、事業の初期段階で信じられないほどのリスクを冒している。羨ましいほどの高給と安定した生活を捨てて起業したり、誰も注目していない新しいアイデアを提唱したり、言葉も通じない全く新しい市場で事業を展開したり。リスク分析の観点から言えば、上記のどの決定も最善の選択ではなかったのである。しかし、振り返ってみると、もし彼らがリスクを受け入れる勇気を奮い起こしていなかったら、その後に訪れた機会はおろか、最終的に成し遂げたような大きな成功も決して得られなかったであろう。一見すると突飛に思えるそれらの決断こそが、後に彼らがさらに大きな成功を収めるための鍵となったのだ。
実際、私はこの考えを起業家だけでなく、若い人たちや知り合いの友人たちにもよく話している。ほとんどの場合、私たちが受ける教育や習得する知識は、リスクを回避する能力を高めるように設計されている。その結果、多くの人々は比較的安全な選択肢を繰り返し選ぶこととなる。目先の損失はないものの、幸運だけを求め不運を避けようとするこうした繰り返しの選択は、徐々に揺るぎない枠組みを形成し、ますます選択肢の少ない、狭く行き詰まった未来へと導いていく。
リスクを受け入れることを選択すれば、失敗する確率は50%であるものの、成功する確率も50%ある。しかし、何も行動を起こさなければ、リスクは0で、成功する確率も0である。
もしかしたら、次に遭遇するチャンスにおいて、あなたは一度勇気を出すことが求められるのかもしれない。