投資家としての私の典型的な一日はこんな感じである。朝食と昼食にはそれぞれ会議が予定されており、その合間にいくつかのコーヒーミーティングがあり、夕食は会議がアレンジされてなければ、交流イベントに出席する。忙しい時は、1日に7つか8つの用事が手配されることもある。多くの多忙なビジネスパーソンは、通常非常に忙しいスケジュールを抱えており、このような生活スタイルからは、他のことをする時間を捻出できるとは想像しがたいものであろう。
時間が足りないというのは、現代人にとって共通の焦燥であり、時間管理は常に議論の的となっている。優先順位をつけることに加えて、私のもう一つの秘訣は、やりたいことを最小単位に分解し、それらを特別な時間に行うのではなく、今の生活に組み込むようにするというやり方である。余分な労力や時間を必要としないため、こうした小さなことは通常継続しやすく、結果として大きな成果として積み重ねられる。
昨年行った実験を通して、自律と意志が時間によって増幅されると、無限の可能性が生まれるということを体得することができた。
忙しい生活の中でも健康を維持するために、私は一見ささやかだが力強い約束を自分自身に課した。それは、毎日10キロ以上、あるいは1万歩以上歩くということである。しかし、問題は、毎日のスケジュールがぎっしり詰まっている中で、どうやって散歩する時間を見つければいいのかという点である。
そこで、私はウォーキングを日課に組み込むことにした。例えば、会議の参加者をウォーキングミーティング(walking meeting)に招くといった具合である。スケジュールの合間にも、私はよく徒歩で移動している。街を散策しながら、街の景色や交通を眺めて、時折物思いにふけったり、ただぼんやりと心をさまよわせたりした。そんなひと時に深い心の平安を得ることができ、そのおかげで仕事に戻った時には、より良い精神状態となり、より良い決断を下すことができるようになった。
この小さな変化が積み重なり、さらに予想だにしなかった結果にもつながった。この1年間、アメリカ、シンガポール、サウジアラビア、エジプト、あるいは隔離中のホテルの部屋でも、晴れの日も雨の日も、毎日1万歩歩くという目標を達成することにこだわり続けた。1年間で590万歩以上歩いたが、これは1日平均1万8,000歩に相当し、目標を大きく上回ることとなった。私はウォーキングを通して健康状態を改善しただけでなく、数え切れないほどの散歩や対話からインスピレーションや気づきを得て、自信と自律をより一層深めることができた。これは私のこれまでの人生の中で、最高の決断のひとつである。
この経験を通して、意志さえあれば、どんな困難も乗り越え、理想を実現するための時間を作ることができるという確信をさらに深めることができた。達成したい目標があるけれど時間がないという場合は、従来の考え方にとらわれず、創造的に生活に取り入れてみては如何だろうか。